技術説明

Technology

自動生成の仕組み

ドゥーマンズは、家具の設計ルールをデジタル化するために、家具を構成する最小のエレメント、例えば表面材や木口材などでさえ、それぞれ「エレメント空間」として取り扱い、そのエレメント空間を組み合わせることで側板などの「パーツ空間」として定義します。さらに、その「パーツ空間」を組み合わせることで、引出などの「ユニット空間」が定義できます。 そして、ユニット空間を組み合わせることで、完成品、製品としての「コンバイン空間」を定義します。 即ちコンバイン空間を組み合わせることでセットプランとしての空間が構築され、この空間の6面と間取りの収納空間の6面とが面関連され、データ連携可能とになります。

このように、すべての基本は、各空間の面関連の具合(チリや加工情報)などを設計ルールとして取り扱うことでデジタル化でき、オーダーメイドする家具であっても、デジタル化した設計ルールにしたがって、E-BOMやM-BOM、図面や木工機械用加工データ等、必要なものすべてを自動生成する事ができるのです。

このデジタル化した設計ルールにより、自由設計と自動生成を可能とする世界で唯一のクラウドシステムが、daros です。
「空間マネジメント」は、daros においてすべての基礎となるコア技術で、すべての商品は「空間」の組み合わせとして保持されています。 各空間の情報として、種別・位置・サイズ・制約・属性・その他情報を持たせることにより、BOM情報として自動生成する事が可能となります。

エレメント < パーツ < ユニット < コンバイン < セットプラン < 収納スペースのように複数空間を内包する親子関係で情報交換し保持運用しています。

面関連のデジタル化

ある空間の座標 座表面と、他の空間の座標面とを関連付ける技術を「面関連」といいます。これら空間情報が面関連によってデジタル的に連動し、自由設計を可能としています。

チリ寸法や製造公差などの値は、面関連と面間距離を登録することで、箱の大きさを変えても登録したチリ寸法を変えずに自由な設計をすることができます。

例えば、側板上面を基準にした時、天板のチリ寸法が0.3mmあるスケルトンユニットを登録する時、それらの面関連と面間距離を下図のように設定します。そうすれば、プラン設計後に厚みの異なる表面材に変更しても、板厚やチリの大きさを変える事なく自由な設計が可能となります。

面関連の応用

引出しには、単純なサイズ変更だけではなく、サイズ変更にともなって形が変化するものもあります。例えば、引出し前板の高さが変化する場合、内箱フレームの高さの変化はさまざまなルールがあります。以下のような異なったルールの場合にも、それぞれに面関連のルールを設定、適用して設計されます。

① 引出しAタイプ

前板の高さに追従して 内箱の高さも変化。
 

② 引出しBタイプ

内箱の高さは種類を絞って共通化、グループ化
前板の高さに該当する内箱を選択

加工ルールのデジタル化

天板としてのパーツ空間と側板としてのパーツ空間の結合面には加工面があります。加工面の加工ルールには、あらかじめ登録されている複数の加工方程式を組み合わせることで、すべての加工ルールがデジタル化されます。これにより寸法変更してもその加工ルールに基づいて、すべての加工情報が自動生成されます。

ここでは天板と側板の接合面のダボ穴加工の加工ルールを決定するためには、まず接合面のXY座標の「どの位置に、どの様なルールで、どの様な加工がされるのか」を定義することが必要となります。このことをドゥーマンズでは「加工ルールのデジタル化」と呼んでいます。(加工ルールをデジタル情報に変換)

これらの加工ルールをデジタル化するためには、一例として以下のような複数の加工方程式を組合せて用います。

方程式 A

前から ( x , y) の位置に径(α)パイのダボ穴を深さ(z)
mmの穴を加工する。

方程式 B

後ろから( x , y) の位置に径(α)パイの穴を深さ
(z) mm の穴を加工する。

方程式 C

前後センターの位置に径(α)パイの穴を深さ(z)
mm の穴を加工する。

方程式 D

基準点から後ろ方向に(N)ピッチで径(α)パイの
穴を深さ(z) mm の穴を加工する。

方程式 E

加工と加工の距離が(A)mm以下になったら止める。
 
 

例:方程式 A+B+D

前述の加工方程式を組み合わせ、設計ルールを
デジタル化することで、寸法変更されても加工
情報を自動生成することができます。

加工転写

加工面の加工情報は、どちらかのパーツ空間に加工定義すればもう一方のパーツ空間に加工転写することができます。 例えば、天板のパーツ空間と側板のパーツ空間の接合面の場合は、 天板の左右の加工面に加工ルールをデジタル化すれば、接触相手(左右の側板)への加工がコピーされます。この技術を加工転写と呼びます。スケルトンユニットに引出しや固定棚などのインフィルユニットを設置する場合、インフィルユニットに定義した加工ルールがスケルトンユニットの側板に正しく加工転写されます。

以上の通り、すべての加工ルールはデジタル化する事が可能であり、この技術によってドラッグ&ドロップの簡単操作で寸法を変えたり、自由設計することが可能となります。

リモート相談

(daros で何が出来るのか実際に画面をお見せしながらQ&Aします)